少し前に掲載になっている対談コラムですが、改めて地域に事業を持ち込むってどういうことということについて整理したいと思います。

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◯海外の中心部再生は「アセットマネジメント」。不動産オーナーたちによる資産価値保護・改善を一義的な成果として定めることで、結果として利用者などにとって高品質なまちが実現される。

まちおこしがビジネスだって忘れてない!?
木下斉×飯田泰之『稼ぐまちが地方を変える』刊行記念トークイベント 
http://synodos.jp/society/15346


ビジネスって誰かが金儲けのためにやることって意味ではなく、「限られた資源の効果的な活用技術」です。つまり、何か予算を使いきって終わりとか、場合によっては投じた予算よりも多額の負債が残り万年赤字が続くことではありません。ビジネスは、限られた資源を最大限有効活用し、結果として生まれたものはそもそも使った資源を上回るだけの資源を手元に残す、ということです。

地域活性化、まちづくり、まちおこし、様々な表現はありますが、特定の地域が活力を取り戻すためには、この当たり前な、投じた資源より、手元に残った資源が大きくなること、という原則を守らなくてはなりません。だから経営やビジネスが有効なわけです。

しかしながら、これまでは資源を国の財政支援という再分配に依存し、いつまでもだらだらとその予算がもらえるだろうという前提に則って、予算を使いまくり、全く地方自体に投じたお金以上にお金が生み出すエンジンが作り出されることはありませんでした。むしろ、やればやるほど負債は大きくなり、やればやるほど赤字が拡大する事業ばかりを繰り返し、地方は衰退してきてしまったとも言えます。

つまりビジネス感覚のない人が地方を経営してきたことが、ますますもって限りある資源を無駄遣いし、誰かを救うのに必要な予算とか自力では全く生み出せないような事態にまで至ってしまったわけです。

赤字のシステムにいくらのお金を投じても、結局は赤字になります。

返済の必要のない補助金をいくらもらおうと、赤字のシステムは、結局は赤字であり、地元でその赤字は補填するために別の予算や別の経済からお金を移転する必要が出てきます。しかし、わざわざ他の人がやった地域活性化の失敗を、なぜに自分たちが負担するのだという不公平感が生まれます。これは結局、稼いだお金が無駄遣いされ、本来もらうべき人の報酬などを削減して捻出されていきます。結局のところは産業の衰退、雇用などの縮小などにもつながっていき、地域から人はいなくなっていくわけです。

逆に金利2%で事業資金を借りても、毎年10%の黒字のシステムは、地域に8%分の利益をもたらします。資金調達コストは安ければ安いほどいいが、それ以上に大切なのは、黒字のシステムになっているか否かであり、もし補助金などで返済の必要がない資金をもらっても、赤字のシステムになってしまうような制度用件などがあれば、そんな資金は活用してはいけないわけです。

このあたりの資金に対する感覚が乏しいと地域はますます細くなる。

これらのお金に対する議論なくして、地方活性化とかは不可能なのでありますが、地域分野ではお金の話が大嫌いな人も未だ多くおり、結局のところは資源の有効活用に至っていないというところが深刻な問題でもあります。

地域活性化には適切なビジネス感覚が求められます。同時に、それは誰かの富を増やすためではなく、地域全体が豊かになるための経営的視点でなくてはなりません。

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