公民連携事業における開発方法として、公民合築とはまた異なる方法が出てきました。

◯費用140億円を募金で…G大阪の新スタジアムはココがすごい!
http://www.iza.ne.jp/smp/topics/sports/sports-8425-m.html 

◯(仮称)吹田市立スタジアムについて
http://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-machisangyou/chiikikeizai/sutajiamu.html

これらを見ていくと、土地は府の所有地で、施設建設についてかかる140億円は法人・個人の寄付金で集め、プラスtotoの助成金を活用。ワールドアップ開催でも利用可能な国際仕様に適合する内容で開発。

内容的には開発した段階で市に寄贈して市の資産となるものの、指定管理で約50年間ガンバ大阪が受けるもの、維持や長期修繕に必要な管理運営する予定となっているようです。つまり、ガンバ大阪が自力で管理することになるわけですね、と。府の土地使用料などの捻出するためにイベント開催などもするようです。4万人収容であるものの、通常よりは3割減のコストとなる、140億円に抑えたそうです。

構造的には市に寄贈するので、実際は民間資産として経営する際にかかる固定資産税は減免されることになるので、それがインセンティヴでしょうか。運営費は実際には民間が行うので、市としては固定資産税だけ減免して実質追加負担なしでスタジアムができて人の流れができつつ、計画・開発・運営を営業可能なガンバ大阪に任せられるというメリットがあるといえます。府は土地の使用料もらえるという財政的メリットがありますねー。万博公園内ですから、一種の公園コンセッションと見ることもできますね。

大変興味深い、新たな公民連携の一形態ですね。
もう少し情報を集め、契約モデルなどどのようになっているか細かく見ていきたいと思わされる事例です。

視察見学が相次いでいるとのことですが、サッカー、野球は超絶競争激しい分野ですから、どこでもこのようなモデルでスタジアムを作ればいいって話ではありませんよね。運営能力が伴わないと結局は担える事業者が多数いるわけではないわけで、「そうかこの方法でうちもスタジアムを地元クラブと作ろう」なんて話にはなったらダメということでもあります。

以下のように2年の努力の末に100億を超える寄付金も集まったということで、やはりやり切るのは大変なことだったと思います。そういう意味では、被災地支援とかではなく個別プロジェクトとして考えれば、国内有数のファンドレイジング案件でもありますね。


そういえば、7年くらい前に、スタジアムマネジメント絡みのプロジェクトで一度ドイツのアリアンツ・アレーナの視察をしたことがあるのですがサッカー専用スタジアムというのは、特段サッカーに知識のない人間でもこんだけピッチと客席の距離が近く、密度高く客席も集まっているので、とてつもなく気持ちが盛り上がるんだろうなーと思いました。これを税金でやると言われれば、うーむ一部のファンのためでしかないよねーと思ってしまうところですが、民間がビジネス的に展開するのであれば、確かにそれはアリだよね、と。

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(写真)ドイツのアリアンツ・アレーナ内部。

これは500億くらいかかったらしいのですが、25年返済計画で調達した資金を2014年に9年くらいで完済したそうです。その他のスタジアムはだいたい100億円程度とのこと。だからこれは破格なわけですが、それでもガッツリ儲けて返済してしまうのだからものすごい。スタジアムマネジメントというのはガッツリビジネスなんだなと向こうでは感じました。

日本ではそこまでの市場規模がなくとも、うまいこと工夫をして完全なる自治体依存ではない民間が可能な限り努力して開発・運営するモデルでやっていくという試行錯誤が行われるのは素晴らしいことですね。

Sport Management Review VOL.12
データスタジアム
2009-03-01


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