先日、久松農園の久松さんとWedgeOnline企画にて対談させて頂きました。かなり長編の対談になっていまして、全部読むにはそれなりの時間がかかってしまうかもしれませんが、ぜひお読みいただければ幸いです。
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久松さんは新規参入型の高効率小規模農業を実践しつつ、そのあり方を書籍なども含めて唱えている方です。





私は主として商店街などの商業分野における問題に向き合ってきています。最近では、都市経営や地域再生全般に関係して取組みをしていることもあり、商業分野に限らない異分野の方とお会いすることも多くなってきました。久松さんもそんなプレーヤーの方の一人です。特に、実践しつつ、効率を重視しながら、その方法を体系化し、さらに他地域にも導入していこうとされているという意味では、分野が違えど志を同じくできる方だと勝手に思っています。

さて、この対談を通じて改めて感じたのは、縮小時代対応は農業も商業もその他も構造問題は同じということです。この他にも林業、水産業についても同様の話を別の形としたことがあり、やはりこの分野は違っても構造問題は一緒というテーマについては今後もちゃんと整理すべきことだなーと思っています。

主としてこの対談で感じたのは、以下の7点の共通課題です。またこれら課題に対して、ディテールは違えど、結構同じような解決策を模索していると感じました。詳しくは対談内容を読みつつ理解いただければと思います。

『縮小時代対応、7つの共通課題』

(1)各産業=業界団体となって、産業が隠れ蓑に既得権化
 →各分野の産業は大切なのだが、それが業界団体と一体的に語られてしまう
 (ex.農業なら農協、商業なら商店街

(2)補助金などの既存事業者の保護政策で新陳代謝が起こらない
 →非効率事業者が温存されることが産業政策になってしまう(本来は社会保障)
 (ex.既存の兼業のカタチだけ農業者、ボケ防止でやってるやる気ない商店

(3)拡大社会における事業手法を引きずり、事業が頓挫するのだが、方法を修正をしない
 →補助金政策などが拡大時代モデルのまま存続させる前提で、高効率化しない
 (ex.巨額耕作機械投資などをさせる農業、再開発などで再生目指す商業

(4)営業先行で、それに沿った投資・拡大が基本
 →先行投資、営業は後回しという成長時代の方法の逆をいく、先行営業・投資
  (ex.固定客300人を抱えて月額課金で野菜販売、既存ビル管理の効率化で事業基盤作る

(5)規模より効率が最優先
 →規模を追い求める前に小規模効率化を図り、そこから成長させることが最優先
 (ex.固定客・固定取引先に最適化した高粗利農業、卸小売ではなく製造小売の商業

(6)拡大が都市から始まった一方、縮小は地方から始まっているという難しさ
 →従来は都市からパクればよかったが、今は地方のプレーヤーが独自に考えなくてはならない
 (ex.政策的に提案される内容を予算をもらってやってきて今の農業・商業がある。つまりもはや地方には通用しない。

(7)積小為大の思考力
 →小さな積み上げから大きな成果に繋げる。すぐに大きな話からはいるのが良いとする拡大社会の考え方、やり方から精神的に脱却しなくてはならない。着実な小さなことは大に繋がる。
 (ex.日本全国の農業を一律"救う"方法などを求めることはない。産業なのだから多様な事業が切磋琢磨すれば良い。商業も同様に全国の商店を救う方法などはない。だから個別での成功ケースをしっかりと分析してフレームに整理し、複数地域で事業が発生し、さらにそれらが合同して政策につなげていくことが大切。

分野が違えと、これらの問題は共通しています。これらをどう各分野で打開していくかというのは、結構個別チャレンジは生まれているので、あとは着実な事業的な成長と政策連携というあたりだなと思っています。

そんなことを考えつつ、ぜひ以下の対談5本を読んでいただければ幸いです。

◯連載対談「縮小時代を生き抜くための「収支」思考」

【1】誰とどうやって手を組むか  縮小時代を生き抜くための「収支」思考(1)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5406
【2】「これで安泰」といえる時代は終わった 縮小時代を生き抜くための「収支」思考(2) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5408
【3】「もっと全体を見ろ!」は不毛だ 縮小時代を生き抜くための「収支」思考(3) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5409
【4】二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった? 縮小時代を生き抜くための「収支」思考(4) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5410
【5】地方は縮小時代のフロントランナー 縮小時代を生き抜くための「収支」思考(5) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5411 




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