先日、ガイアの夜明けでエキナカなどの生活支援事業やSUICA事業を初めとした、JR東の新規事業に関する特番をやっていましたね。うなぎ養殖事業とSUICA事業が並列されて説明されていたのには、少し閉口しましたが・・・。

ただその中で品川駅のエキナカ程度だと35億円程度の年間売上高を目指しているということで、郊外大型店から比較すると一桁、二桁規模が小さい程度なのだと直感的には思ってしまいました。しかしながら、人の流動性が駅内に限定されるようになるなどを考えると、街中を歩くというように駅開発がなされないのは、やはり中心市街地の街中の集積を考えるとしっかりと評価する必要があると感じます。
旧来、駅というのは人が移動する要所であり、周辺に商業などが集積してゆくということで副次的経済効果の大変高いものだと考えられてきたわけです。つまり地域間で人や物を運び、地域に新しい流れを生み出してきたわけです。しかし鉄道企業の事業ポートフォリオが変化し、単一の鉄道事業から生活支援や決済・金融事業などに乗り出すことで、駅内にホテル、ビジネスタワー、商業施設が併設されるようになり、その役割にも変化が生まれているわけです。

郊外店だけでなく、このような中心市街地における構造変化についてもしっかりと認識をしておく必要があります。中心市街地活性化は商店街などの旧来からの事業者のみならず、新たなテナントや商業施設などの機能が外部の人間や企業によってもたらされることも多くあることを踏まえて考えることが重要なわけです。
既に、鉄道企業が展開はじめ、不動産会社による大規模開発が相次いでいます。都内でも大崎や川口などの工場跡地の駅前が大規模開発されるなど、企業のリストラ政策後の土地利用が変化してきているのも顕著な変化の一つです。

このように中心市街地の活性化を取り巻く状況は、郊外開発の規制だけでなく、中心市街地自体の事業構造の確実な変化を踏まえた計画や取り組みを進める必要があると考えさせられます。
鉄道企業による新規事業はその代表的ななケースですね。

[私のブログで過去に取り上げた駅関係の記事]
■SUICAの利用度データから見るICカード決済の社会的インパクト [2004年07月07日]
■SUICAのJR東日本における財務分析 [2004年07月08日(木)]
■地下鉄の「えきなか」戦略、JR東の「SUICA決済ビジネス」戦略 [2005年01月25日(火)]