サブプラムローンショックは未だその範囲もわかっていませんが、当初は影響が限定的とされていた日本国内の地方金融機関でも、徐々にその影響が判明してきているようです。

■サブプライム問題 地域金融にもダメージ/関連損失拡大、投信販売にもブレーキ

この記事でも指摘されているように、新たな金融機関の収益の柱としてきた投資信託の収益も悪化、さらに株価低迷による有価証券評価額の減額などがじわじわと効いてきているのも事実のようです。

しかしこのような実態を見ると、地域金融機関の役割は何なのかよくわからなくなってきます。元来、地域金融機関は地域内で資金を集めて、それを地域内の産業などに投資してさらなる雇用創出や付加価値向上に努めていくところに主たる役割があったかと思います。
確かに近年は、融資する先が乏しくなってきているなどの問題はあるのかもしれませんが、大手金融機関や地銀とほとんど変わらないところの投資信託のメニューを販売するだけであれば、“地域金融機関”といっていいものか、個人的にはいささか疑問になります。

やはりこのあたりは制度政策の問題もさることながら、個別の地域金融機関が独自に新たなビジネスモデルを模索できないものか、と思わされます。日本でも英米などで取り組まれてきた(制度や内容は異なりますが)、CDFIなどの地域の新たな中小産業(特にサービス業、国内でコミュニティビジネスと呼ばれる分野など)への融資がペイするような試行錯誤などができないものか、と思わされます。ただ、実態としては地方ではそれだけの創業者も少なく、資金需要そのものが乏しいとなれば、地域金融機関の存続そのものが問われる時が近い将来くるように思います。

それより何より結局は地元に預けていようと、大手金融機関に預けようと、結局はアメリカの金融ファンドメニューに投資するしか投資先がなかった、というこれまでの実態がわかっただけでも日本の金融システムはいささか、自分のお金を預けておくにはおもしろくないところだと思ってしまいます。

コミュニティファイナンスとかだけですべてとは言わないですが、自分のお金を単に対して金利もつかない+社会にもプラスにならないとすれば、自ら社会向けの投融資を模索することも近い将来必要だと感じます。つまりは自分たちで作るのが一番てっとり早いということですね。また今月末に札幌にいってくるので、NPOバンクの実態なども聞いてくる予定ですが、日本でも数年前から注目されている市民金融も今少し踊り場的な印象です。何が問題なのか、それは考える必要がありそうです。

どちらにしても、市街地開発や経営を進める上でファイナンスに関する知識は今後の地域事業を進める上でも必須だと感じる今日この頃です。