今週末に高松市で日本計画行政学会の大会が開催されます。私も論文発表とワークショップを行うのですが、昨年からこの学会でまちづくりNPOのスケールアウト戦略と、既存のまちづくり組織(まちづくり会社、商店街など)との提携関係に関して研究報告をさせて頂いています。

スケールアウトとは、従来のスケールアップとは異なり自己組織の成長ではなく、自らのノウハウを他地域に横展開することによって成長を図る戦略です。非営利組織経営モデルとして近年大変注目を集めています。

私が今年からエグゼクティブ・アドバイザーを務めさせて頂いているNPO法人グリーンバード(http://www.greenbird.jp/)は、全国・世界に30支部を持つスケールアウト戦略をとるまちづくりNPOのひとつです。またもう1つ横展開に関するアドバイザーを務めさせて頂いているシブヤ大学(http://www.shibuya-univ.net/)もまた、コミュニティ大学のプログラムをシブヤ以外に京都、名古屋、そして札幌など全国各地にスケールアウトしている組織です。

これらの組織を通じても、単に複数地域に展開するだけでなく、各地域に既存のまちづくり組織とのパートナーシップは非常に重要な要素となっています。そのため実際にこれらNPOも落下傘のように展開しているのではなくねしっかりと地域内資源を発掘し、ノウハウを移植しながら回しています。

以前から商店街等にも話しているように、全ての事業を自前主義でやるのではなく、適宜アライアンスを締結してNPOの協力のもと進める方が良いということが多くあります。それはボランティアを集めるためとかではありません。既にNPOも成長してきて、それぞれがノウハウとネットワークを持ち、一朝一夕で同じことができない水準までサービスや実績を高めてきているところが多くあります。だからこそ彼らと手を結ぶのが適切です。

今後はこのようなケースが増加することからも、積極的にまちづくりNPOのスケールアウト推進を共に行っていきたいと思っています。そして既存の商店街やまちづくり会社との戦略的提携を促進していきたいと思います。