先日書いた「「報連相しない、させないマネジメント」 (No.932)」は、550人以上の方にいいね!ボタンを押して頂くという予想を超える反響を頂きました。正直、私も驚きましたが、ただ日頃から私だけでなく、コミュニケーションコスト問題については頭を悩ましているのだなと思いました。上手く行かなくなればなるほどに、報連相がキツくなるが業績は一向に回復しないというのはロジカルに考えれば分かることなのですが、コレが全くもってなかなかできないのですよね。ここは今度別途まとめたいと思わされました。

さて、今日も私が常々感じていることの1つです。
ひとまずまちづくり事業について書きますが、これって「なんか上手くいかないなー」と思っている時全般に言えることだと思うんです。

私にご連絡頂くほとんどの御相談が「何をやったら活性化し、まち会社の経営も成り立つでしょうか」といったことです。つまり"足し算の経営"を元にした相談です。「今までイベントもやりましたし、空き店舗対策でコミュニティスペースも作りましたし、アーケードも載せ替えて、今は再開発も計画しています。」といった具合で「けど上手くいかないので、どんな手法を採用すれば良いのでしょうか?」といった相談に至るわけです。

しかしながら、ここに既に基本姿勢自体に大きな間違えがあると思います。
私は活性化事業に必要なのは、総花的ななんでもやります基本計画に問題があると思っています。ただでさえヒト・モノ・カネ・情報などのリソースが少ないという、まち会社を中核に置いて何でもかんでもやります基本計画を進めてしまっているから、どれも上手くいかないのです。外貨枯渇、資源不足で戦線を広げまくって敗戦したように、負け戦をすべての戦線で繰り広げてしまうことになってしまうのです。勉強できない子にいきなり全科目でいい成績とらせるのは大変ですが、1科目胸を張れる得意科目を作ってあげるほうが成績改善の糸口になるのと一緒だと思っています。

なので、うまくいかない時は、家にある無駄なものをなくすように、全方位戦線をやめて、まずは断捨離をするのが良いと思います。

断捨離とは、
断=入ってくる要らない物を断つ
捨=家にずっとある要らない物を捨てる
離=物への執着から離れる
[※断捨離は、やましたひでこさんの登録商標です。(wikipedia参照)]

といったことです。

事業において言えば、

断=新規事業を止める(新しいことはまず止める)
捨=大して成果のない中途半端な事業をやめる(なんとなく継続しているもの沢山あるはず)
離=他地域の成功事業調査に執着しない(思考停止している状態で視察とか勉強会とかでのインプットはジャミングになる)

といったところでしょうか。
どこも既に決まった新規事業を抱えながら、さらに大して成果のない事業も止めず、さらになんか上手くいかなくて心配だから新たな成功事例を探しまくって新規事業を作ろうとする。これでは全くもってうまくいくものもいかなくなります。そんなにリソースないわけですから。

なので、なんとなくうまくいかない時は

1.断捨離で作業量を削減
2.自分の頭で考え、少ないリソースも集中投下できる体制に変える
3.まず胸を張れる1つの得意分野を作る(=リソースに余裕が生まれる)
4.次のテーマに取り組む

といった流れにすることが、負のスパイラルから抜け出す上で有効だと思っています。
スティーブ・ジョブズよろしく"引き算の経営"ですね。

上手くいかない時って不安なので、沢山新しいことに取り組んで、どれかが当たればいいと思うわけです。私もどれかが当たればいいは当たりだと思うんです。
ただし、1年間パラレルに4つの事業を複数走らせてどれかが当たればいいではなく、1年間1つを3ヶ月集中するのを4シーズン回すというスタイルのほうが確率が高いと思うんです。

何をやろうかではなく、何をやめるか。
一見すると後ろ向きに見えますが、実は大変前向きな話なのです。

私も含めて常に見直ししないとやることばかり増えるんですよねー。
ちゅーことで、皆さんの取り組まれているプロジェクトもなんでかうまくいかねーなー、という時は断捨離から始めましょう!!