先週は前半は東京にて委員会やら打合せやらをした上で、水曜から二泊三日の地方行脚の度に出ていました。ので、近況報告かねて、少し考えたりしていることをお伝えします。ってかなりtwitterでつぶやいていますので、ご関心ある方はフォローしてください。IDはshoutengaiです。

■まちづくり役場とくしま
徳島では昨年度から、一般社団法人まちづくり役場とくしまを仲間と共に立ち上げました。そこでは地元4大学合同のまちなかキャンパスや、市役所の公共交通企画推進などを進めています。その中でも徳島県庁と共に取り組んでいるeとくしま商店街事業では、中小企業向けのSaaS型POSと業務管理システムを組み合わせたシステムを開発しています。東京にシェアモードエンタープライズ社というSaaS型POSで実績のあるベンチャー企業とアライアンスを結んで開発を進めています、地元でも各種企業への年度内導入を目指しています。来月には第一次開発機が導入されていきますので、またご報告します。
日本においてはPOSや基幹管理システムはコスト面と手間の面でハードルが高く、中小企業ではなかなか導入が進んできませんでした。所詮はレジ止まり。しかしながら、これからネット販売を加速させたり、2-3店舗から10店舗くらいまで店舗を増加させたいと考えている若手経営者にはある程度システムのバックボーンを作らないと、業務キャパがすぐに一杯になり、成長限界を向かえてしまいます。ネット販売も店舗内在庫との完全連動を行わないと二重在庫の温床になりますし、複数店舗増加すれば受発注も取引先と共にある程度システム化しないとそれだけで大変かつ仕入れ規模が分散して価格交渉力も落ちます。また複数店舗を任せている店長との情報共有がオーナーとの間で図りにくくなっていきます。また大きくなる経営を支える管理会計もいい加減だと資金繰りなどで苦心したりすることにもなり、成長の妨げとなります。融資制度についても在庫内容とその担保価値が明確になれば、金融機関もこれまでの土地担保型融資だけでなく、在庫担保型融資などの可能性も検討してくれますが、ざる勘定で決算情報さえ信用されない状況ではそれも難しいです。

と、色々と私も商店街で取組みをしてきて課題を感じていた部分なのです。で、これまではこういうシステムが非常に高かった&ベンダー視点で店舗では使いにくかった、というのがあるので、個々にとっては投資が低く、月額負担が安くて、スケーラビリティを持てるSaaS型のPOSインフラに乗っからせて頂いてやろうという結論に至ったわけです。今はベータ版ですが、第一次の正式版は今年度末、来年度からは多地域展開も行っていきます。各地域のまちづくり会社や商店街振興組合の店舗の経営革新支援メニューとしても効果的かと思いますので、またご案内します。

実はバックシステムでネット販売だけでなく、CATVとの連携、介護福祉系NPOとの連携により販売連携も行っていくように作っています。

■高松・再び丸亀町へ
で、翌日は高松市丸亀町商店街振興組合の古川さんのところに再び。
というのも今回は仙台経済同友会の関係者の方々が視察されるということで、それに同行しつつ、地元の香川経済同友会さんとの懇親会にも参加させて頂きました。市街地経営のあり方については先日仙台経済同友会さんで講演させて頂いたのですが、実際の現場をやっている古川理事長のお話をということで視察されるという運びになりました。

古川理事長のお話は何度も聞きますが、毎回ポイントが分かるのでプラスです。
ただ地元経済界でもあまり丸亀町モデルについての理解が薄いのが残念でした。タダ単に補助金で建物建てただけという理解になってしまっているところが。確かにこういうご時世丸亀町だって楽ではないのですが、折角色々と挑戦しているだけでも良いかと思うんですが、例の開発効果による納税額増加とかもあまり理解していないですね。

その一方、北川フラムさんの瀬戸内国際芸術祭に関しては、やはり地元経済界としてはコミットしていることも多いのか、色々と饒舌でした。また北川フラムさんとはお会いしたことないんですが、本とかは色々と出ていますので、読んだことない方はどうぞ。

地元の方曰く、ほとんどのパビリオンは芸術祭が終わってからもそのまま展示されるとのことなので、急がずに会期後にいくのもあり、だそうです。また、一部島では入場数に制限をかけているとのことで、入れない方が結構いるらしく、会期後もパスポートが一定期間有効になるというお話も聞きました。今月末までが会期ですが、その後にゆっくりと行くのもよさそうです。私はそうしようと思っています。






■いざ富山へ
で、翌日は朝一番で富山へ。高松から富山という移動で、富山に到着。セントラムで国際会議場にいって、富山県商店街振興組合連合会の皆様に商店街活性化と事業開発のお話。まぁ本業を稼げるようにするために注力しましょう、互いの経営数字を隠したままに関係ないまちづくり活動やっても変わりませんよ、といういつものお話から私が取り組んでいるケースについてお話いたしました。もう在庫仕入れ型小売は相当なセレクトや営業力がない限りはそこで買う理由を作ること自体が厳しく、製造小売とかで商品差別化図ったり、販路も変えたりとこれまでのあり方を根底から変えたところは強いし、変えずにだらだらやっているところは、厳しいと思っております。私の祖父クラスのお歴々の方が中心だったので、どこまで時代認識的に同じくなれるかなーとは思いますが、バブル崩壊後世代としての認識とそれを共有して事業開発している商店街の方々のお話を伝えました。

久々に富山市の方ともお会いできたりよかったです。本当に富山市は都市内交通網の整備などを含めてがちがち開発しているわけですが(手段には賛否両論あるのだと思いますが、有言実行であることは評価したいですね、霞ヶ関への営業力もある意味昭和型といったら怒られますが首長さんが地元に引っ張る力はものすごいです)、中心部の民間側が全く追いついていないのはあまり変わっていませんでした。背景は色々と複雑なのだと思います。特に再開発組合も組織したまま放置されている、耕作放棄地ならぬ営業放棄地が沢山散在し、アーケードだけが立っているという環境でした。笛吹けど踊らずなのか、踊れないのか。なかなか難しいものですね。

駅もいよいよLRT立体交差に向けて開発が始まっていました。次回いくまでには完成しちゃったりするのかな。

 

飛び回った10月も今週で最後。
火曜から帯広、長崎。木曜は一端東京でワークし、金曜は境港に行ってきます。どれも時宜用開発系のお打ち合わせ。


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