リバプールは2つのBID。1つの再開発モール。港湾部へのPPP型の積極投資展開。という3つの展開が重なって、これらの関係者が互いにタッグを組んで都市再生に取り組んでいるまちでした。正直、日本では見たことがない、都市再生型のPPPの一つであると思いました。

リバプールヴィジョン

リバプールにはBIDが2つ設定されています。

 

上からみるとリバプールはこんな感じ。これはタワーなんですが、昔は展望レストランがあった場所を今は地元のラジオ放送局のスタジオで使っています。ちょー眺めが良いスタジオ。
右の写真は川沿いに並ぶかつての繁栄をイメージできる建物郡の一角です。

 

こちらはリパプール1という再開発エリア。ただ、クローズトモールではなく、オープンタイプのモールで、動線的にも道路をそのまま元々の流れを活かしているので、歩いていて、どこからがモールかよくわからないような感じの構造です。中に入っているのはチェーンストアですけどね。ただ、チェーンストア系も全くないまちというのも不便なので、そういう意味では個人的のある路地裏とかとのバランスでこういうのもアリといえばアリなのかもなと思ったりもしました。


 

こちらはメインストリート&広場。広場の店舗とかは市が利活用促進で貸し出しているそうな。イベントの時はBIDが活用して色々と使っているそうです。道路利活用に関しては積極的ですね。

 

こちらはタウンホール。いつてリバプール一番の金持ちが市長をやってきたLord Mayorという名誉職が今も残っており、1年任期で成功者が務めています。今はIT関連企業で成功した方がされており、当日案内もしてくれました。

右の写真はドックヤードを利用したレストランなどが入るところです。ここは全体の流れとは別にプライベートな企業がやっているとのこと。

リバプールは都市再生におけるPPPモデルとしての挑戦範囲がでかい。
一日で相当数のマネジャーたちとお会いできたが、小さなまちなか再生的な路地裏まわりのサポート、メインストリートでの展開、様々な再開発エリア、これらのトップたちが互いに連携しているのが如実に分かる関係だった。

「リバプールを再び世界に冠たる都市にする」

その意気込みで皆が一致している熱があった。やはり自分達のまちをどうしていくのか、何もしないくせにプライドが高いだけの懐古主義はよくないが、過去の繁栄自体がシビックプライドとして共有され、前向きな努力に向けられるとすれば悪くはないなとは思う。とはいえ巨額の数千億円レベルの再開発事業展開などが本当にそれだけの成果をあげられるかは、今後に評価されるものだろう。

前評判以上にリバプールはなかなかもって学ぶべき点の多いケースであった。今後引き続き連絡をとりあい、日本の都市との連携を図ってもらおうと思う。

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